お薬の副作用を知る
この記事でわかること
- パーキンソン病治療薬ごとの特徴的な副作用
- 注意が必要な副作用と、日常生活で気を付けるポイント
- 自己判断での薬の服用中止が危険な理由
司(つかさ)先生:
クリニックの院長
結(ゆい)さん:
クリニックの看護師
光(ひかる)くん:
司先生の孫
【前回のまとめと今回のテーマ】
前回は、パーキンソン病の治療を支えるお薬の種類や、それぞれの役割について確認しました。
しかし、頼もしい味方であるお薬には「副作用」という別の顔もあります。
今回は、お薬が持つもう一つの側面である副作用について、どのような症状が現れる可能性があるのかを一緒に見ていきましょう。
これだけいいものがあるなら、いろいろ使えば元通り動けるようになるのかな?
同じ薬を飲んでも期待する効果が得られるかどうかは患者さんの体質によって違うんだ。
また、お薬には必ず「副作用」という別の顔があるんだ。もし、その副作用が強く出ると、そのお薬は使えなくなってしまうんだ。
それに対し、患者さんがその薬にどう反応するのかを見極めていくことが大切なの。
お薬別の特徴的な副作用
これから紹介する副作用は、あくまで「そのお薬で見られる可能性がある症状」です。これらすべてが全員に現れるわけではありません。
副作用の出方は、ご本人の体質や体調によって一人ひとり大きく異なります。ほとんど症状を感じずに治療を続けている方もおられます。
ここにある内容はあくまで「参考情報」としてご活用ください。
患者さんご本人について、もしも気になる症状やいつもと違う体調の変化が現れた場合は、決して自己判断はせず、まずは主治医の先生や薬剤師にご相談ください。
パーキンソン病の治療薬は、その仕組みや影響を与える範囲の違いにより、薬ごとに特徴的な副作用があります。
「主役」としてドパミンを直接補うもの、分解を防いで効果を長持ちさせる「助っ人」、あるいは震えを抑えるために別の神経に働きかけるものなど、それぞれの個性に合わせた注意点を見ていきましょう。
L-ドパ(レボドパ)製剤
最も効果が高い治療の「主役」ですが、ドパミンの量が増えることに伴う変化が起こります。
- 初期の不調:
飲み始めに悪心(吐き気)、嘔吐、食欲不振が出ることがあります。 - 血圧:
立ち上がったときにふらつく「起立性低血圧」に注意が必要です。 - その他:
汗の色が黒っぽく着色することがありますが、心配はいりません。
ドパミンアゴニスト(ドパミン受容体作動薬)
脳にドパミンだと思わせて直接作用するお薬です。精神面や睡眠への影響が特徴的です。
- 睡眠:
強い眠気や、前触れなく突然眠り込む「突発的睡眠」のリスクがあります。
※服用中の車の運転などは極めて危険なため避けてください。 - 精神症状:
幻覚、妄想が現れることがあります。 - 行動の異常:
ギャンブル、買い物、性欲亢進、むちゃ食いなど、欲求を抑えられなくなる(衝動制御障害)ことがあります。
附随薬:ドパミンを壊れにくくする「補強材」
脳内のドパミンが分解されるのを防いだり、L-ドパの効果を長持ちさせたりする「助っ人」の薬です。
- MAO-B阻害薬:
吐き気、口の渇き、めまい、不眠など。
※一部の抗うつ薬との併用は「セロトニン症候群」の危険があるため厳禁です。 - COMT阻害薬:
下痢が起こりやすくなります。また、L-ドパを助けるため、ジスキネジアや吐き気が強まることがあります。 - アマンタジン:
幻覚などに加え、急に止めると高熱が出る「高体温症(悪性症候群)」に注意が必要です。 - ゾニサミド:
眠気、食欲不振、便秘。
抗コリン薬
手の震えを抑えるのに有効ですが、全身を乾燥させるような作用があります。
- 乾燥症状:
口の渇き(口渇)、便秘、尿が出にくくなる(排尿困難)。 - 脳への影響:
記憶力の低下や幻覚を招くことがあるため、高齢者や認知機能が不安な方には通常使用しません。
患者さんの「普段の様子」をよく知るご家族からの情報は、僕たち医師にとってもすごく貴重な判断材料なんだよ。
次は、「どうやってお薬を調整していくのか」というルールについてお話ししましょう!
ポイント:お薬の副作用を知る
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副作用の出方には個人差あり
副作用はお薬ごとに特徴はありますが、全員に同じ症状が出るわけではなく、副作用の強さは1人ひとり異なります。 -
薬によって「特徴的な副作用」が異なる
・L-ドパ:吐き気、起立性低血圧、など
・ドパミンアゴニスト:突発睡眠、衝動が抑えられなくなる、など
・附随薬(補強材):不眠、下痢、高体温症、など
・抗コリン薬:口の渇き、便秘、など。 -
自己判断は危険
薬による治療は、どの薬にどんな副作用のリスクがあるかを知り、患者さんの体がどう反応するかを注意深く見極めていくことが重要です。
もし気になる症状や体調の変化があっても、決して自己判断で薬の量を調整したりせず、主治医や薬剤師に相談しましょう。